現行犯逮捕(げんこうはんたいほ)
現行犯逮捕とは、現に罪を行っている人、または罪を行い終わった直後の人(現行犯人)を、逮捕状なしで逮捕することです(刑事訴訟法212条・213条)。裁判官の令状を必要とする通常逮捕とは異なり、警察官だけでなく一般の私人でも行える点に特徴があります。
なぜ令状なしで逮捕できるのか
逮捕は本来、裁判官が発する令状に基づいて行うのが原則です(令状主義)。現行犯逮捕がその例外として認められているのは、目の前で罪が行われているため犯人であることが明白で、誤認逮捕のおそれが小さいからです。
「罪を行い終わってから間がない」と明らかに認められる一定の場合(犯人として追われている、犯行に使われたと思われる凶器を持っているなど)も、現行犯人とみなされます(準現行犯人。刑事訴訟法212条2項)。
私人による現行犯逮捕
現行犯人は、誰でも逮捕状なしで逮捕できます(刑事訴訟法213条)。逮捕の目的のために必要かつ相当な範囲であれば、私人が実力を用いても正当な行為として扱われます。ただし、私人が現行犯逮捕をしたときは、ただちに警察官などに引き渡さなければなりません(同法214条)。
なお、軽微な罪(30万円以下の罰金、拘留または科料に当たる罪。ただし刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪は、当分の間2万円以下の罰金など)については、犯人の住居や氏名が分からない場合や逃げるおそれがある場合に限って、現行犯逮捕が認められます(同法217条)。
逮捕後の流れは通常逮捕と同じ
現行犯逮捕でも、逮捕後の犯罪事実の告知や弁護人選任権の告知、言い分(弁解)を述べる機会、検察官への送致、勾留請求までの時間制限(逮捕から通算72時間以内)は、通常逮捕と同じ扱いです。
勾留される前の段階でも、弁護人を選任して接見(面会)することができます。知り合いに弁護士がいない場合でも、当番弁護士制度を利用すれば、1回に限り無料で接見に来てもらえます。
参考条文
刑事訴訟法212条(現行犯人・準現行犯人)、213条(現行犯逮捕)、214条(私人による逮捕後の引渡し)、217条(軽微事件の特例)、日本国憲法33条(令状主義)
関連用語
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この記事の担当弁護士: 尾中 翔(愛知県弁護士会 / 弁護士法人中部法律事務所) → 当事務所の弁護士紹介はこちら
最終確認日: 2026年7月
※本記事の条文・手続の記載は、2026年7月時点で施行されている法令に基づきます。個別の事案については弁護士にご相談ください。