緊急逮捕(きんきゅうたいほ)
緊急逮捕とは、一定の重い罪について、逮捕状を待っていては間に合わない急ぎの場合に、先に被疑者を逮捕し、その後ただちに逮捕状を求める逮捕のことです(刑事訴訟法210条)。逮捕状を事前に得る通常逮捕とは異なり、令状が後追いになる点に特徴があります。厳格な要件を満たす必要があります。
緊急逮捕の要件
緊急逮捕が認められるのは、次の要件をすべて満たす場合です(刑事訴訟法210条1項)。
- 死刑または無期もしくは長期3年以上の拘禁刑にあたる罪であること
- その罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があること
- 急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないこと
- 逮捕後、ただちに裁判官に逮捕状を求める手続をすること
これらのいずれかを欠けば逮捕は違法となり、その後の勾留請求が認められないなどの影響が生じ得ます。逮捕後、逮捕状が発付されなければ、被疑者はただちに釈放されなければなりません。
なお、令状なしで先に身体を拘束することが令状主義を定める憲法33条に反しないかが問題とされてきましたが、最高裁判所はこの制度を合憲と判断しています。
逮捕後の流れは通常逮捕と同じ
緊急逮捕でも、逮捕後の犯罪事実の告知や弁護人選任権の告知、言い分を述べる機会(弁解)、検察官への送致、勾留請求までの時間制限(逮捕から通算72時間以内)は、通常逮捕と同じ扱いです。
勾留される前の段階でも、弁護人を選任して接見(面会)することができます。知り合いに弁護士がいない場合でも、当番弁護士制度を利用すれば、1回に限り無料で接見に来てもらえます。
参考条文
刑事訴訟法210条(緊急逮捕)、211条(通常逮捕の規定の準用)、日本国憲法33条(令状主義)
関連用語
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この記事の担当弁護士: 尾中 翔(愛知県弁護士会 / 弁護士法人中部法律事務所) → 当事務所の弁護士紹介はこちら
最終確認日: 2026年7月
※本記事の条文・手続の記載は、2026年7月時点で施行されている法令に基づきます。個別の事案については弁護士にご相談ください。