刑罰の種類-懲役,禁固,罰金,拘留,科料,没収-

刑事裁判で有罪判決となる場合、判決主文で刑罰が言い渡されます。

刑罰の種類として、刑法第9条が「死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。」として、6種類の主刑と、没収という附加刑を規定しています。

死刑

死刑は、受刑者の生命を奪う刑です。

死刑の言い渡しを受けた場合、死刑執行までの間、刑事施設に収容され、絞首によって死刑執行されます(刑法第11条)。

人の生命を奪う刑罰であるため、殺人罪(同法199条)、強盗殺人・強盗致傷罪(同法240条)、強盗強姦殺人・強盗強姦致傷罪(同法241条)など、一定の重大犯罪に対する刑罰として法定されています。

懲役刑

懲役刑は、受刑者の身体を拘束して自由を奪う自由刑の1つで、受刑者を刑事施設に収容した上、所定の作業(強制労働)につかせる刑です(刑法第12条)。

懲役刑は、期間の定めのある有期刑と、期間の定めのない無期刑があります。

有期懲役は、原則として1月以上20年以下の範囲内ですが(同条)、死刑又は無期懲役の罪を減刑して有期懲役にする場合や、有期懲役の罪を加重する場合は、最長30年までとすることができます(同法13条)。

禁固刑

禁固刑は、受刑者の身体を拘束して自由を奪う自由刑の1つで、受刑者を刑事施設に収容する刑です(刑法第13条)。

懲役刑と異なり、所定の作業(強制労動)につかせられることがありません。

実務上、自動車運転過失致死傷罪など、過失犯に禁固刑が言い渡されるケースが多いです。

禁固刑は、期間の定めのある有期刑と、期間の定めのない無期刑があります。

有期禁固は、原則として1月以上20年以下の範囲内ですが(同条)、死刑又は無期禁固の罪を減軽して有期禁固にする場合や、有期禁固刑の罪を加重する場合は、最長30年までとすることができます(同法13条)。

罰金刑

罰金刑は、受刑者の一定の財産を奪う財産刑の1つです。

罰金は、1万円以上から定められていますが、減軽して1万円以下を言い渡すことも可能です(刑法第15条)。

罰金の上限額は、例えば、窃盗罪(同法235条)で「50万円以下の罰金」など、各犯罪、各法律で定められています。

罰金が支払えない場合、労役場に留置され、日当換算して罰金相当を支払い終わるまでの期間(1日以上、最大でも3年まで)、労役場で労務につきます(同法18条)。

労役場での日当額、労役場で留置される期間については、罰金刑を言い渡される際に、判決主文で定められます(同法18条)。

例えば、「被告人○○を罰金20万円に処する。罰金を完納することができないときは、金5000円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。」などと言い渡されます。

裁判の確定から30日以内に罰金を納めない場合、本人の承諾がなくとも労役場留置の執行が可能となります(同条)。

拘留

拘留も、懲役・禁固刑と同様、受刑者の身体を拘束して自由を奪う自由刑の1つで、受刑者を刑事施設に収容する刑です(刑法第16条)。

懲役刑と異なり、所定の作業(強制労動)につかせられることがありません。

懲役刑・禁固刑と異なり、無期刑はなく、有期刑としても拘束期間は短く、1日以上30日未満です(同条)。

科料

科料も、罰金刑と同様、受刑者の一定の財産を奪う財産刑の1つです。

科料は、千円以上1万円未満です(刑法第17条)。

科料が支払えない場合、労役場に留置され、日当換算で科料相当を支払い終わるまでの期間(1日以上最大60日まで)、労役場で労務につきます(同法18条)。

労役場での日当額、労役場で留置される期間については、科料を言い渡される際に、判決主文で定められます(同法18条)。

例えば、「被告人○○を科料5000円に処する。科料を完納することができないときは、金5000円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。」などと言い渡されます。

裁判の確定から10日以内に科料を納めない場合、本人の承諾がなくとも労役場留置の執行が可能となります(同条)。

没収

死刑、懲役、禁固、罰金、拘留、科料が主刑であるのに対し、没収は、附加刑と呼ばれます。

附加刑とは、主刑に付け加えて言い渡される刑罰で、附加刑のみを言い渡すことはできません。

没収とは、犯罪行為に不可欠の物、犯罪に使われた物、犯罪行為によって作られた物や、犯罪行為によって得た物、犯罪行為の報酬として得た物、犯罪行為によって作られた物の対価として得た物などの所有権をはく奪し、国庫に帰属させる刑です(刑法第19条)。

例えば、覚せい剤や麻薬などの薬物事犯における違法薬物、偽造文書や通貨偽造事犯における偽造された文書や偽造通貨、わいせつ物頒布等罪におけるわいせつ物などが、没収の対象となります。

犯人以外の物であっても、その人が、犯罪の後に、その犯罪の事情を知って得た物であれば、没収の対象となります(同条2項)。

没収を言い渡されたのに、対象物の全部又は一部を納められないときは、その価格を追徴されることになります(刑法第20条)。

 

 

 

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