留置場(りゅうちじょう)
【定義】
留置場とは、全国の警察署内に設けられている一時的な収容施設のことです。
法令上は「留置施設」の名称が用いられます。
【解説】
留置場には主に逮捕した者と勾留した被疑者を収容します。
逮捕の場合、逮捕状には「引致すべき場所」として警察署名が記載されているだけですが、引致に伴う効果として次の勾留請求まで法律の定める最大72時間の間、留置が可能です。その際に原則として同じ警察署内の留置場を用います。
もっとも、特捜部による経済事犯などで検察官が自ら事件を捜査して逮捕する場合、逮捕段階から拘置所に留置されることもあります。
勾留に関しては、刑事訴訟法の規定では被疑者も被告人も刑事施設(拘置所等)に収容することになっていますが、代用刑事施設として留置場を使用することも認められているため、被疑者段階ではほとんどが留置場で勾留される実態になっています。その結果、逮捕から起訴まで引き続き同じ留置場にいるというケースが多くなります。
【参考条文】
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第14条第1項
都道府県警察に、留置施設を設置する。 第2項 留置施設は、次に掲げる者を留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。
一 警察法 (昭和二十九年法律第百六十二号)及び刑事訴訟法 の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの
二 前号に掲げる者で、次条第一項の規定の適用を受けて刑事訴訟法 の規定により勾留されるもの
三 前二号に掲げる者のほか、法令の規定により留置施設に留置することができることとされる者
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第15条第1項
第3条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。
一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法 その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。)
二 死刑の言渡しを受けて拘置される者 三 少年法 (昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項 、少年院法 (平成二十六年法律第五十八号)第百三十三条第二項 又は少年鑑別所法 (平成二十六年法律第五十九号)第百二十三条 の規定により仮に収容される者 四 逃亡犯罪人引渡法 (昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項 、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項、国際捜査共助等に関する法律 (昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項 又は国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律 (平成十九年法律第三十七号)第二十一条第一項 若しくは第三十五条第一項 の規定により拘禁される者
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第3条
刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。
一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者
二 刑事訴訟法 の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの
三 刑事訴訟法 の規定により勾留される者
四 死刑の言渡しを受けて拘置される者
五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第16条第3項
留置担当官は、その留置施設に留置されている被留置者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。