拘置所(こうちしょ)
【定義】
拘置所とは、法務省が所管する刑事施設であり、主に未決拘禁者を収容するための施設です。
全国に8か所設置されています。
【解説】
刑務所、少年刑務所、拘置所を総称して刑事施設といいます。
刑務所と少年刑務所は懲役や禁錮の刑が確定した者(受刑者)を収容する施設であるのに対し、拘置所は刑事裁判が確定していない被疑者・被告人の立場にある者(未決拘禁者)を収容する施設です。
刑事訴訟法の規定では、勾留された被疑者・被告人は「刑事施設」に収容されることになっているのでこの拘置所に入るのが原則のように思えるところですが、実際は代用刑事施設制度が広く活用されて、起訴前の勾留ではほとんどの場合、警察署の留置場に収容され、起訴後に拘置所へ移監されています。
全国8か所の拘置所とは、名古屋、東京、立川、京都、大阪、神戸、広島、福岡です。他に多数の拘置支所があります。
【参考条文】
刑事訴訟法第64条第1項
勾引状又は勾留状には、被告人の氏名及び住居、罪名、公訴事実の要旨、引致すべき場所又は勾留すべき刑事施設、有効期間及びその期間経過後は執行に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判長又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第3条
刑事施設は、次に掲げる者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。
一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者
二 刑事訴訟法 の規定により、逮捕された者であって、留置されるもの
三 刑事訴訟法 の規定により勾留される者
四 死刑の言渡しを受けて拘置される者
五 前各号に掲げる者のほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第15条第1項
第3条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。
一 懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者(これらの刑の執行以外の逮捕、勾留その他の事由により刑事訴訟法 その他の法令の規定に基づいて拘禁される者としての地位を有するものを除く。)
二 死刑の言渡しを受けて拘置される者
三 少年法 (昭和二十三年法律第百六十八号)第十七条の四第一項 、少年院法 (平成二十六年法律第五十八号)第百三十三条第二項 又は少年鑑別所法 (平成二十六年法律第五十九号)第百二十三条 の規定により仮に収容される者 四 逃亡犯罪人引渡法 (昭和二十八年法律第六十八号)第五条第一項 、第十七条第二項若しくは第二十五条第一項、国際捜査共助等に関する法律 (昭和五十五年法律第六十九号)第二十三条第一項 又は国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律 (平成十九年法律第三十七号)第二十一条第一項 若しくは第三十五条第一項 の規定により拘禁される者
【関連用語】
- 勾留(こうりゅう)
- 留置場(りゅうちじょう)
- 代用刑事施設(だいようけいじしせつ)
- 起訴(きそ)
- 確定(かくてい)