自首(じしゅ)
【定義】
自首とは、犯人が、捜査機関に発覚する前に、自ら犯罪事実を申告し、処分に服するという意思表示です。
【解説】
自首には刑法上、刑の任意的減軽事由となるという効果があります。任意的減軽事由とは、裁量により減軽することができるという意味で、必ず減軽される必要的減軽事由(心神耗弱など)とは区別されます。なお、内乱予備、私戦予備など一部の犯罪については例外的に、自首により刑が免除されます。
自首が成立するための要件「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実そのものが発覚していない場合のほか、犯罪事実は発覚しているが犯人が発覚していない場合も含まれます。しかし、犯人が単に所在不明の場合は含まれないので、たとえば指名手配犯が名乗り出ても自首にはなりません。もっとも、自首が成立しない場合でも、自ら出頭したことが情状として考慮され、量刑に影響する可能性はあります。
自首は告訴と同様、司法警察員(巡査部長以上の警察官)または検察官に対して書面または口頭で行います。
【参考条文】
刑法第42条
・第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
・第2項
告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。
刑法第78条
内乱の予備又は陰謀をした者は、1年以上10年以下の禁錮に処する。
刑法第79条
兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前2条の罪を幇助した者は、7年以下の禁錮に処する。
刑法第80条
前2条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する。
刑事訴訟法第241条
第1項
告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。
第2項
検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。
刑事訴訟法第242条
司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。
刑事訴訟法第245条
第241条及び第242条の規定は、自首についてこれを準用する。
【関連用語】
・捜査機関
・刑の減軽
・情状
・量刑
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