水利妨害及び出水危険罪(すいりぼうがいおよびしゅっすいきけんざい)
【法令・条文】
刑法第123条
堤防を決壊させ、水門を破壊し、その他水利の妨害となるべき行為又は出水させるべき行為をした者は、2年以下の懲役若しくは禁錮又は20万円以下の罰金に処する。
【法定刑】
2年以下の懲役若しくは2年以下の禁錮又は20万円以下の罰金
【解説】
水利妨害及び出水危険罪とは、堤防の決壊、水門の破壊、その他水利の妨害となるべき行為をし又は出水させるべき行為をすることによって成立する犯罪です。
水利妨害罪における「水利の妨害となるべき行為」とは、水利権を有する者に対し、灌漑(かんがい)、水車、発電、水道等の水の利用を妨害する、水路の閉塞・変更、貯水の流失等の一切の行為をいいます。
水利権は、契約・慣習などその発生の根拠を問いません。
交通上の利用及び水道による飲料水としての利用については、それぞれ往来妨害罪や水道損壊罪の対象となり、本罪の対象ではありません。
出水危険罪における「出水させるべき行為」は、出水の危険のある一切の行為をいいます。