過失建造物等浸害罪(かしつけんぞうぶつとうしんがいざい)
【法令・条文】
刑法第122条
過失により出水させて、第119条に規定する物を浸害した者又は第120条に規定する物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、20万円以下の罰金に処する。
第119条
出水させて、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車又は鉱坑を浸害した者は、死刑又は無期若しくは3年以上の懲役に処する。
第120条
第1項
出水させて、前条に規定する物以外の物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
第2項
浸害した物が自己の所有に係るときは、その物が差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、配偶者居住権が設定され、又は保険に付したものである場合に限り、前項の例による。
【法定刑】
20万円以下の罰金
【解説】
過失建造物等浸害罪とは、過失により出水させて、現住建造物等を浸害し又は非現住建造物等を浸害して公共の危険を発生させることによって成立する犯罪です。
「出水させて」とは、管理された水の自然力を解放して正規の水路外に氾濫させることをいいます。