非現住建造物等浸害罪（ひげんじゅうけんぞうぶつとうしんがいざい）

【法令・条文】

刑法第１２０条

第１項
出水させて、前条に規定する物以外の物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、１年以上１０年以下の懲役に処する。

第２項
浸害した物が自己の所有に係るときは、その物が差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、配偶者居住権が設定され、又は保険に付したものである場合に限り、前項の例による。

第１１９条

出水させて、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車又は鉱坑を浸害した者は、死刑又は無期若しくは３年以上の懲役に処する。

【法定刑】

１年以上１０年以下の懲役

【解説】

非現住建造物等浸害罪とは、出水させて、現住建造物等浸害罪の対象となる現住建造物等以外の物を浸害し、公共の危険を生じさせる犯罪です（刑法第１２０条第１項）。

自己の所有物であっても、差押えを受けている、抵当権などの担保物権を設定している、賃貸している、保険の対象物件になっている等の場合には、現住建造物等浸害罪の対象となります（同条第２項）。