告発(こくはつ)
【定義】
告発とは、告訴権者及び犯人以外の第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示です。
【解説】
告訴と異なり、誰でもすることができます。捜査機関が犯罪を認知し、捜査を始めるきっかけとなる捜査の端緒の一種です。
告発の方式は告訴と同様で、司法警察員(巡査部長以上の警察官)または検察官に対して書面(告発状)または口頭で行います。検察官による起訴・不起訴の処分結果の告知または不起訴理由の告知を受けることができる点、いたずらや悪意での告発に対し、訴訟費用負担や虚偽告発罪のペナルティがあり得ることも告訴と同様です。
親告罪のように告発がなければ起訴できない犯罪は例外的で、独占禁止法違反、議院証言法違反、関税法違反、公職選挙法違反などです。告発の期間制限はありません。
【参考条文】
刑法第172条
人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する。
刑事訴訟法第183条
・第1項
告訴、告発又は請求により公訴の提起があつた事件について被告人が無罪又は免訴の裁判を受けた場合において、告訴人、告発人又は請求人に故意又は重大な過失があつたときは、その者に訴訟費用を負担させることができる。
・第2項
告訴、告発又は請求があつた事件について公訴が提起されなかつた場合において、告訴人、告発人又は請求人に故意又は重大な過失があつたときも、前項と同様とする。
刑事訴訟法第239条
・第1項
何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
・第2項
官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。
刑事訴訟法第241条
・第1項
告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。
・第2項
検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。
刑事訴訟法第242条
司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。
刑事訴訟法第243条
前二条の規定は、告訴又は告発の取消についてこれを準用する。
刑事訴訟法第260条
検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも、同様である。
刑事訴訟法第261条
検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について公訴を提起しない処分をした場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならない。