刑事犯罪集

あへん煙吸食及び場所提供罪(あへんえんきゅうしょくおよびばしょていきょうざい)

【法令・条文】

刑法第139条

第1項 あへん煙を吸食した者は、3年以下の懲役に処する。

第2項 あへん煙の吸食のため建物又は室を提供して利益を図った者は、6月以上7年以下の懲役に処する。

【法定刑】

  • あへん煙吸食罪:3年以下の懲役(第1項)
  • あへん煙吸食場所提供罪 :6月以上7年以下の懲役(第2項)

【解説】

あへん煙吸食罪(刑法第139条第1項)とは、あへん煙を吸食することにより成立する犯罪です。

「吸食」とは、呼吸器又は消化器により摂取することをいいます。

あへん煙吸食場所提供罪(刑法第139条第2項)とは、あへん煙の吸食のため建物又は室を提供して利益を図ることによって成立する犯罪です。

「利益を図った」とは、財産的利益を図る目的のあることをいい、現実に利益を得たことは必要ではありません。

あへん煙吸食場所提供罪は、あへん煙吸食罪の手助けをする行為を独立に処罰するものであるため、「利益を図」るという特別の要件が付け加わったものであるといわれています。そのため、「利益を図」るという目的が無い場合には、あへん煙吸食罪の幇助犯が成立しうることとなります。

あへん煙吸食罪、あへん煙吸食場所提供罪とも、未遂も処罰されます(刑法141条)。

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