あへん煙輸入等(あへんえんゆにゅうとう)
【法令・条文】
刑法第136条
あへん煙を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持した者は、6月以上7年以下の懲役に処する。
【法定刑】
6か月以上7年以下の懲役
【解説】
あへん煙輸入等罪とは、あへん煙の輸入、製造、販売又は販売目的の所持によって成立する犯罪です。未遂も処罰されます(刑法第141条)。
「あへん煙」とは、直ちに吸食し得るあへん煙膏(えんこう)のことです。
あへん煙膏とは、けしの液汁を乾燥凝固したもの(生あへん又はあへん煙土といいます。)を溶解、煮沸するなどして加工し、パイプでの吸煙等に用いられる状態のもののことです。
もっとも、あへんに関しては、「あへん法」という別の法律があり、同法56条によれば、あへん法違反の罪が刑法の罪にも触れるときは「重きに従って処罰」されます。
そのため、刑法第136条(あへん煙等輸入罪)、刑法第139条(あへん煙吸食罪及びあへん煙吸食場所提供罪)、刑法第140条(あへん煙等所持罪)及びこれらの各未遂罪はあへん法の罪として処罰されます。
今日では同じ薬物でも麻薬や覚せい剤等の不正使用が大きな社会問題となっており、これらに対処するための麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤取締法、大麻取締法等の特別法の存在が重要な意味を持っています。