事件別弁護方針

児童ポルノ・わいせつ画像

刑法175条

・第1項
わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
・第2項
有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

 

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律

第3条の2

何人も、児童買春をし、又はみだりに児童ポルノを所持し、若しくは第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管することその他児童に対する性的搾取又は性的虐待に係る行為をしてはならない。

第7条

・第1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する(以下略)。
・第2項
児童ポルノを提供した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する(以下略)。
(第3項から第5項 中略 )
・第6項
児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(以下略)。(第7項、第8項 略)

児童ポルノ・わいせつ画像に関する犯罪とは

わいせつ物頒布等の罪は、わいせつ文書や画像、データを、頒布し、または、公然と陳列し、または、有償で頒布する目的で所持・保管する罪です。

自己の性的目的のためにわいせつ画像等を所持しても罪になりませんが、これを公衆に広めたり、有償提供(売買や貸与)する目的で所持・保管すると、刑罰の対象となります。

他方、18歳未満の少年・少女が被写体等になっているわいせつ画像、データは、「児童ポルノ」として、自己の性的目的のためであっても所持・保管しているだけで刑罰の対象となります。

また、児童ポルノは、製造することも犯罪になります。

児童ポルノの製造、他人への提供、提供目的で所持(データ保管)・製造・運搬・輸出入は、自己使用目的の所持より重い刑罰の対象となります。

さらに、児童ポルノを不特定多数の者に提供、公然と陳列し、または、その目的で製造、所持、運搬、輸出入すると、さらに重い刑罰の対象となります。

※同罪の詳しい条文・解説は「刑事犯罪集:児童ポルノ」をご参照ください。

 

弁護方針1:起訴されない(不起訴)/罰金(略式起訴)・執行猶予・減刑

わいせつ物頒布等の罪や、児童ポルノの事件は、所持等の目的によって、犯罪の成否、刑罰の軽重が異なってくる罪です。

なお、どのような目的でわいせつ画像等を所持等していたかは、ご本人の供述だけでなく、画像等の量、所持・保管の方法等によって、客観的にも判断されます。ご本人様の意図・目的と、捜査機関が容疑をかけている目的とが異なる場合があります。

また、児童ポルノのような被害者のいる犯罪では、被害者との示談や被害弁償をしたか否かが、警察の捜査方針、検察官の起訴・不起訴の判断、裁判所の執行猶予や減刑の判断に大きな影響を及ぼします。

そのため、弁護人は、被害者との示談成立を目指し、弁護活動を行います。

示談が難しい場合は、被害弁償金を受け取ってもらうよう努めます。

 

弁護方針2:わいせつ物頒布等、児童ポルノの疑いをはらす/無罪を勝ち取る

わいせつ物頒布等、児童ポルノについて、あらぬ疑いをかけられた方は、これを争う必要があります。

例えば、わいせつ画像等の被写体となっているのが18歳未満の少年・少女であると知らず、自己使用目的で所持していた場合などは、犯罪の認識を欠くことになりますので、無罪を主張することになります。

本人様が18歳未満であると知っていたかどうかは、所持等に至った経緯や少年・少女の当時の外見・服装や持ち物、言動などから客観的に判断されます。

弁護人は、被疑者・被告人とされた方の言い分の主張立証を尽くし、疑いをはらす/無罪を目指した弁護活動を行います。

 

 

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