事件別弁護方針

人身事故・死亡事故

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(略称「自動車運転処罰法」)

第5条

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

交通事故による人身事故・死亡事故とは

いわゆる不注意・過失による交通事故で、人を死傷させる犯罪です。

交通事故の刑事処罰は、以前は、基本的に刑法第211条の2に、自動車運転致死傷害罪が規定されていました。
しかし、同規定だけでは、交通事故前に飲酒や薬物(危険ドラッグを含む)を服用していたなど、悪質な態様の交通事故の刑罰としては軽すぎるなどの問題点がありました。
そこで、新たに、自動車運転処罰法が制定され、平成26年5月20日以降の交通事故に関しては、同法で処罰されることになりました。

弁護方針1:被害者との示談

交通事故のような被害者のいる犯罪では、被害者との示談や損害賠償をしたか否かが、警察の捜査方針、検察官の起訴・不起訴の判断、裁判所の執行猶予や減刑の判断に非常に大きな影響を及ぼします。
そのため、弁護人は、被害者との示談成立を目指し、弁護活動を行います。
交通事故の被害者との示談では、被害者に対して誠実に対応し、謝罪することが大切です。また、被害者へ損害を賠償することも大切です。被害者への損害賠償では、自動車保険を利用しても構いませんが、事案によっては、保険金に加えて、お見舞い金や被害弁償金を支払うなどして、示談成立に向けた弁護活動を行うこともあります。

弁護方針2:逮捕・勾留されない/起訴されない(不起訴)/罰金(略式起訴)・執行猶予・減刑

過失による交通事故では、被害者の傷害の程度のほか、過失の程度、被害者との示談や損害賠償の有無、過去の交通違反歴など、様々な事情によって、処分や量刑が決まります(被害者の傷害が軽い場合、情状により、刑が免除されます。)。弁護人は、前述のとおり被害者との示談や損害の賠償を図るとともに、警察や検察官と協議し、逮捕・勾留されない/起訴されない(不起訴・前科がつかない)/略式起訴(罰金)などを目指した弁護活動を行います。

弁護方針3:過失があったとの疑いをはらす/無罪を勝ち取る

交通事故が起きた場合であっても、ご本人様の過失・不注意によらない事故の場合や、十分な注意を尽くしても回避できない事故であった場合、自動車運転過失致死傷罪は成立しません。十分な注意をしていたかどうかは、ご本人様の供述だけでなく、客観的な事故の状況から判断されます。そこで、客観的な事実から、ご本人様に過失はなかったことを明らかにし、また、ご本人様に過失があったとするには証拠が不十分であることなどを主張し、不起訴や無罪に向けた弁護活動を行います。

 

名古屋エリア(愛知県・岐阜県・三重県)の交通事故のご相談は、初回30分の無料相談を承っています。弁護士法人中部法律事務所までご相談ください。
また、被害者との示談(民事事件)について、弁護士費用特約に入っている方などからの初回30分無料相談・ご依頼も承っています。
詳しくは、弁護士法人中部法律事務所「
交通事故の弁護士相談サイト」をご覧ください。

 

関連記事

万引き・窃盗

刑法第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。   万引き・窃盗罪とは 窃盗罪は,他人が持っている物を、故意に、その人の意思に反して、盗る犯罪です。 発 … 続きを見る

詐欺

刑法第246条 第1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。  第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。 詐欺罪とは 詐欺罪は、人をだまして、 … 続きを見る

横領

刑法第252条 ・第1項 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。 ・第2項 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。 刑法第253条 業務 … 続きを見る

控訴事件

控訴事件とは 第1審の判決に不満・不服がある場合、控訴して、もう一度裁判所の判断を仰ぐことができます。 ただし、控訴審は、以下のような点で、第1審裁判とは手続きが異なっています。 控訴の申し立ては、第1審裁判所の判決言い … 続きを見る

暴行

刑法第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。 暴行罪とは 暴行罪は、他人の身体に対して、暴行(物理力の行使)を加える犯罪です。 … 続きを見る

危険ドラッグ

愛知県「薬物の濫用に関する防止条例」 ※愛知県の薬物の濫用に関する防止条例を前提に、説明をしています。 第13条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第1号から第4号までに掲げる行為については、正当な理由があ … 続きを見る

大麻取締法違反

大麻取締法 第3条  第1項  大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。 第2項  この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の … 続きを見る

麻薬及び向精神薬取締法違反

麻薬及び向精神薬取締法違反とは 麻薬及び向精神薬取締法違反とは、麻薬及び向精神薬の輸入、輸出、製造、譲り受け、譲り渡し、所持等、麻薬及び向精神薬の取扱いや規制を定めた麻薬及び向精神薬取締法に違反する犯罪です。 麻薬とは、 … 続きを見る
名古屋駅徒歩4分 無料法律相談実施中