事件別弁護方針

痴漢

愛知県迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)

各都道府県の通称「迷惑防止条例」
※以下、愛知県の迷惑防止条例を前提に、説明をしています。

第2条の2第1項

何人も、公共の場所又は公共の乗物(第三項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。


・1号 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること”

第15条1項

・第2条の2又は第2条の3第1項の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

 

痴漢とは

一般的な言葉としての「痴漢」は、さまざまな行為・意味が含まれています。例えば、他人に卑猥(ひわい)な言葉を言い放つ行為や、太ももや腕、胸やお尻、性器を触る行為のほか、下着や着替えののぞき、路上など公共の場で下半身などを露出させる行為などです。

刑事事件では、これらの痴漢と呼ばれる行為の内、具体的にどのような行為を行ったかによって、成立する罪が変わってきます。

一般的に「痴漢」と呼ばれる行為の多くは、各都道府県の迷惑防止条例という条例に違反する犯罪ですが、行為の態様によっては、刑法上の強制わいせつ罪、公然わいせつ罪なども成立します。

なお、刑法上は、「痴漢」という言葉は規定がなく、「痴漢罪」はありません。

愛知県迷惑防止条例第2条の2第1項1号に定められている痴漢行為を例に説明すると、痴漢は、公共の乗物や公共の場所で、正当な理由もないのに、相手が恥ずかしいと感じる方法、不安になる方法で、人の身体に、直接又は衣服等の上から触れる罪です。

弁護方針1:被害者との示談

迷惑防止条例違反における痴漢は、被害者の尊厳を損なう罪とされており、被害者と示談して、被害者が加害者を赦し、または、被害者の尊厳が回復されていれば、警察の捜査方針、検察官の起訴・不起訴の判断、裁判所の執行猶予や減刑の判断に非常に大きな影響を及ぼします。

そのため、弁護人は、被害者との示談成立を目指し、弁護活動を行います。示談が難しい場合は、慰謝料などの被害弁償金を受け取ってもらうよう努めます。

 

弁護方針2:逮捕されない/起訴されない(不起訴)/罰金(略式起訴)・執行猶予・減刑

迷惑防止条例違反における痴漢では、被害者との示談や被害弁償の有無のほか、痴漢事件に至った経緯や目的、過去の犯罪歴・前科(特に同種の前科)など、様々な事情によって、処分や量刑が決まります。

弁護人は、前述のとおり被害者との示談や被害弁償を図るとともに、警察や検察官と協議し、逮捕されない/起訴されない(不起訴・前科がつかない)/略式起訴(罰金)などを目指した弁護活動を行います。

起訴された場合は、刑事裁判手続で被害者との示談、被害弁償、その他有利な情状を主張し、執行猶予を目指した弁護活動を行います。

 

弁護方針3:痴漢の疑いをはらす/無罪を勝ち取る

痴漢したとして、あらぬ疑いをかけられた方は、これを争う必要があります。

痴漢は、第三者の目撃証言が得にくく、客観的な証拠・物証はない又は限られるため、被害者の証言が、捜査では重視され、裁判では重要な証拠となる犯罪です。ところが、被害者は、被害状況から犯人の顔などを見ることができず、立ち位置や角度などから犯人を推測した結果、犯人を取り違えてしまうことがあり得ます。

事件発生時の状況から犯行が困難・不可能であること、第三者による犯行・別に犯人がいる可能性があることなどを明らかにし、疑いをはらす、無罪に向けた弁護をします。

また、このような冤罪事件では、あらぬ疑いであっても、早期の釈放などを求めて虚偽の自白をしてしまうケースがあります。弁護士が、ご本人と接見・面会し、取り調べの際のアドバイスを行い、また、ご本人に味方がいることを認識して頂き、虚偽の自白を防ぐよう弁護します。

 

 

痴漢事件では、早期に、被害者との示談・被害弁償を図ることがとても大切です。名古屋エリア(愛知県・岐阜県・三重県)の痴漢事件に関するご相談は、刑事事件に強い弁護士法人中部法律事務所までご相談ください。当事務所には、男性弁護士・女性弁護士どちらも在籍しており、被害者の心情・感情に配慮した丁寧・誠実な対応で、被害者との示談に向けた弁護活動を行っています。

 

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