少年事件

少年事件とは

未成年が起こした刑事事件は、少年事件として、成人の刑事事件とは異なる刑事弁護が必要になります。※

【少年事件の特徴】

  • 少年の更生が大きな目的
  • 少年事件を扱うのは家庭裁判所
  • すべての少年事件が家庭裁判所に送られる
  • 非公開手続きの少年審判が行われる

【成人の刑事事件】

  • 適正な刑罰を科すことが大きな目的
  • 事件を扱うのは主に地方裁判所
  • 検察官が起訴するか否か決め、不起訴の場合、裁判所に送られない
  • 公開の刑事裁判で裁かれる

※ 一定の重大犯罪の場合、例外的に、成人と同じ手続き・裁判になることがあります。

 

方針:保護者とともに少年の環境を整え・適正な処分を求める

未成年による刑事事件は、すべて少年事件として家庭裁判所に送られ、家庭裁判所が処分を決定します。
少年の更生のためには、少年が刑事事件を起こすに至った理由・原因をよく把握する必要があります。少年が事件を起こすに至った原因や背景を踏まえ、生活環境、居住環境、学校などの教育環境、交友関係、職場などの仕事関係など、少年の環境を整えることがとても大切です。

また、少年の更正のためには、親などの保護者の協力が不可欠です。保護者と協力し合って、少年の上記のような生活環境等を整えます。

弁護士は、少年の非行の度合いや非行歴、刑事事件を起こすに至った原因、事件の重大性、保護者の協力の有無、程度などの様々な事情を踏まえて、少年の更生のために必要な処分は何かを考え、家庭裁判所に適正な処分(不処分)を求めます。

 

少年事件の流れ

刑事事件の発生
①刑事事件の捜査
身柄事件
在宅事件
逮捕 (最大72時間)
勾留(最大20日間)
②家庭裁判所への事件送致
③家庭裁判所の調査
身柄事件
在宅事件
観護措置 (最大8週間)
④ 家庭裁判所の審判
審判開始
審判不開始(事件の終了)
⑤家庭裁判所の処分
保護処分
保護観察
検察官送致
少年院送致
知事・児童相談所送致
児童自立支援施設・児童養護施設送致
不処分

刑事事件の捜査

刑事事件が発生した場合、刑事事件の捜査は、基本的に成人と同じ流れで行われます。

捜査は、在宅(逮捕・勾留をしない)で進められることもありますし、事案の性質や被害の軽重、罪証隠滅や逃亡のおそれの有無などによっては、逮捕・勾留により身体を拘束されて進められます。

・逮捕:通常の逮捕であれば、最大72時間です。多くのケースで、警察署の留置所で寝起きします。※逮捕中、弁護士以外は接見・面会できません

・勾留:基本的には10日、捜査等のため必要がある場合は最大10日間延長されます。警察署の留置所又は少年鑑別所で生活し、取り調べ等の捜査を受けます。

家庭裁判所への事件の送致

捜査を経た後、成人の刑事事件では、検察官が、捜査資料を下に、起訴するかしないか判断します。
ところが、少年事件では、検察官はこのような判断はせず、全件、家庭裁判所に事件を送致します(全件送致と呼ばれています)。
※罰金刑以下の刑事事件の場合、警察から家庭裁判所に事件送致されます。

家庭裁判所による事件の受理・調査の開始

家庭裁判所が少年事件を受理すると、その少年や保護者に対する調査を行います。
家庭裁判所は、まず、この調査を、少年を保護者の下、これまでどおりの生活送らせる「在宅」で行うか、少年鑑別所で生活させる「観護措置」で行うかを決定します。

・観護措置:多くのケースで4週間(法律上は2週間から最大8週間まで)程度、観護措置が取られます。その間、少年鑑別所で生活して、少年の行動を観察するとともに、非行に至った原因や経緯のほか、医学、心理学、教育学、社会学、その他の専門的知識や技術に基づいて、少年の心身の調査が行われます。

家庭裁判所による審判

家庭裁判所は、調査の結果、少年に対する審判を開くかどうかを決定します。
審判が開かれない場合、事件は終了します(「審判不開始」といいます)。

家庭裁判所の処分

家庭裁判所は、審判を開いて、少年に対する処分を決めます。審判は、非公開で行われます。
家庭裁判所が、少年に対する処分を決定するにあたって、さらなる調査が必要であると判断した場合、「試験観察」に付して、さらに少年を調査・観察することがあります。
少年に対する処分の種類は、以下のとおりです。

  • 不処分:審判の場で、裁判官や調査官による訓戒や指導等が行われるのみで、処分は行われません
  • 保護処分:少年事件における主な処分です。少年の性格の矯正、環境の調整、更生のために行われ、3通りの処分があります。
    保護観察:少年は家庭や学校、職場など社会に戻り、保護観察所による指導監督等を受けながら、社会内で、少年の更生を目指す処分です。
    少年院送致:少年は少年院に送られます。保護処分の中でも最も厳しい処分で、少年院で、生活し、教育や職業訓練を受けながら、更生を図ります。
    児童自立支援施設・児童養護施設送致:児童福祉の観点から、少年を支援するために行われる処分です。保護者の下から施設に通ったり、施設へ入所したりして、必要な指導を行い、少年を支援・援助します。
  • 検察官送致:刑事事件の重大性等に照らし、少年審判による処分よりも、刑罰が相応しいとされる場合の処分で、成人同様の刑事裁判手続きに移行します。
  • 知事又は児童相談所長送致:少年の非行性は強くないけれども、家庭環境等での保護に欠ける場合の処分です。

 

 

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